50代の理想の暮らしに必要なキッチンの通路幅は何センチ?広すぎず狭すぎずな最適通路幅の目安
主婦が1日の家事に掛ける時間は3.5時間(買い物含む炊事・掃除・洗濯)中でも、キッチンでの炊事は1~2時間と言われています。
50代の健康的な暮らしに不可欠なキッチン。50代以上の家事時間が長くなる傾向がみられる理由もキッチンに居る時間が、増えているのではないかと考えます。そんなキッチン、「キッチンの設備が古く、使い勝手が悪いから」「キッチンの高さが合わないから」など、キッチンのリフォームを検討する理由は人によってさまざまです。
けれど、「キッチンの通路幅が狭すぎる(あるいは広すぎる)から」などキッチンの通路幅に着目しリフォームを考える人はほとんどいないのではないでしょうか。「通路幅は最低でも●●cmはほしい」など、はっきりとした理想を持っている人は極少数派です。
でもじつは、このキッチンの通路幅、調理作業に大きく影響します。そこでこの記事では、キッチンの通路幅について、理想的な通路幅の目安や、通路幅によくあるお悩みや失敗談、通路幅を決めるときに意識したいポイントについてお話してみたいと思います。
キッチンの通路幅でよくある悩み
キッチンの通路は70cm~120cmが一般的。これらの幅によるトラブルについて通路が狭い場合、広い場合、それぞれのケースについて考えてみましょう。
70cm:冷蔵庫や食器棚を置いたら通路幅が狭い
70cmの通路幅の場合、多くの方は狭いと感じるようです。70cmという幅は、キッチンに1人が立ち、その後ろをもう1人が通るのに最低限必要な広さなので、冷蔵庫の扉や食器棚の引き出しなどを開けると、2人がすれ違い通ることも難しくなります。
そのため、1人暮らし用や調理担当者以外の家族がキッチンに入ることが少ないなどの状況であれば問題ありませんが、夫婦2人暮らしやファミリー世帯には、あまり向かない幅だと言えるでしょう。
通路幅が広すぎると背面収納が使いづらい
ファミリー世帯に人気の対面キッチンで、背面にカップボードを置くのであれば、扉・引き出しを開けた時や奥行きなど動作寸法を考慮すると、最低80cmは欲しいところです。
家族で使うとき、通路幅が狭いとぶつかることも
複数人数で同時にキッチンに立つことが多い場合などは、通路に対し、2人すれ違い通行することも考えると最低90cmは欲しいところです。そこに、カップボードの引き出しや扉を開けるとなると余裕をもって(+30cm)120cmはみていただけると安心です。
ですが、キッチンの通路幅を広くとるとリビング側が狭くなるなど考えられるので、家族で使いやすいキッチン/家族団らんリビング?いずれか優先順位を決めて検討しましょう。
理想的なキッチンの通路幅
通路幅を決める際のポイントは3つ。
- キッチンを同時に使用する人数
- 冷蔵庫や食器棚の奥行きや収納特性
- ゴミ箱の数やサイズ
これらを考慮に入れる必要があります。「キッチンに立つのはわたし1人だから」と通路幅を狭く設定したものの、実際に食器棚、冷蔵庫やゴミ箱を置いてみて「思ったより狭い!?」と感じるケースも。特に冷蔵庫は、食器棚よりも奥行きが70cm以上と深いものが多いので注意が必要です。冷蔵庫の部分だけボコッと出てしまうと作業しにくいだけでなく、美観にも影響が出ます。
また、50代以降にありがちなのが、ご主人の変化。これまでご主人がキッチンに入ってくることなかったから「ひとり仕様」で考えていたところ、高齢期に入り、ご主人も趣味やライフスタイルの変化によりキッチンを利用する頻度が高くなったなんてことも。
1人で使うなら80~90cmが最適
キッチンで作業する人が主におひとり様の場合、通路幅は80~90cm程度がおすすめです。80~90cmあれば背面収納に問題なく手が届き、ものを取る際もスムーズ。ただ、冷蔵庫や引き出しを開ける場合は少し余裕がなくなってしまいます。引き出しタイプは使い勝手にすぐれますが、奥にしまったものを取り出すには、引き出しを目一杯開ける必要があります。このとき、通路幅が狭いと、引き出しを開けるたびに身体を横にずらし脇に立って開ける必要が出てくるでしょう。
また、おひとりで使用する場合でも、体格の良い男性の場合は通路幅80~90cmでも狭く感じることもあるため、少し余裕を持った通路幅が良いかもしれません。キッチンを使う人によっては狭い場合も考えられますので、検討中の通路幅を計り、床にマスキングテープを貼ったりして通路幅の感覚をご自宅で感じてみるのも良いでしょう。また、お時間のある方は、ショールームなどで実際に体感してみるなどして事前に確認をしましょう。
2人以上で使うなら100~120cmが理想的
夫婦や親子など2~3人で料理をすることが多い場合、100cm以上の通路幅を考えておくと、キッチンもゆとりをもって使えます。また、背面に大きめのカップボードを置きたい場合、引き出しや扉を開けることを考えると、110cm程度を確保しておくと安心です。
大家族や4人以上でキッチンを使うことが多い場合は、キッチンの通路幅を120cm程度にして広めのキッチンを検討するのも良いでしょう。三世帯ご家族の場合は、忙しい朝食時などにキッチンが混雑することも考えられます。この場合は、キッチンの通路幅が広い方が使いやすいでしょう。
キッチン通路幅の具体的な寸法例
①通路幅70cm
②通路幅90cm
③通路幅120cm
最低限必要な70~75cm
最初にお話しした通り、冷蔵庫は奥行き70cm前後の製品が多く流通しています。現在使用している冷蔵庫の奥行きが70cm未満である場合には、将来買い替えも考慮し、通路幅にあらかじめ余裕を持たせておくと安心です。
通路幅を検討する際に盲点になりがちなのが、吊り戸棚の存在です。頭上に吊り戸棚や背の高い食器棚があると天井が狭くなるため、どうしても圧迫感が生じてしまいます。この機会に、キッチン収納品の見直しや整理をし吊り戸棚を最適なサイズに交換、あるいは撤去することも視野に入れてみましょう。
110cm以上の通路幅では、リビングやダイニングとのつながりも考慮する
110cm以上の通路幅を検討する場合は、キッチンだけでなく隣接するリビングダイニングや部屋全体の間取りも確認することが大切です。キッチンの通路幅を考慮するあまり、リビングタイニングが狭くなってしまうことも。優先順位を決めてご検討下さい。
キッチンの通路幅に関するよくある失敗例
理想の通路幅を求めるには、現在どんなことで悩んでいるのか、どの点を重視したいのかを整理することが大切です。とはいえ、急に言われても思いつかない・・・なんて方も多いと思います。まずは、キッチンの通路幅でよくあるお悩みを見ていきましょう。
70cmの狭い通路幅によるストレス
収納が使いにくい:
キッチンや食器棚の引き出し難く、気が付けば引き出しの中がカオスに。
引き出しや扉を開けると通路が塞がってしまい、他の作業が妨げられる。
2人以上で使いにくい:
同時にキッチンを使う際にぶつかりやすく、危険を感じる。
圧迫感を感じる:
通路が狭いと、キッチン全体が狭く感じられ、圧迫感を感じる
広すぎた通路幅が逆に不便に
無駄な動きが多い:
冷蔵庫や食器棚が遠いため、何度も往復する必要があり調理の効率が下がる。
スペースがもったいない:
通路が広い分、ついつい気持ちが緩んで床にお米とかストック品を置いてしまいがち。
冷暖房効率が悪い:
広い空間を冷暖房するため、エネルギーコストがかかる。
いかがでしたでしょう? あーうちもこれあるある!なんて思い出しや気づきがあればその点を✅してリフォーム担当者に相談下さい。
適切な通路幅の見極め方法
50代でのリフォームされる場合は、20年先のライフステージも見越した設計を。子供達が自立し家族と共に帰省するシーンを思い描いて広めのキッチン通路幅にするも◎、ご夫婦二人でキッチンに立つイメージをして通路幅を決めるも◎、将来ケガや病気のリスクも考慮し車いすなどの使用時のため一定の通路幅を確保しておかれるのも◎。キッチンリフォームは人生でそう何度もできるものではありません、現在の状況改善に、少し先を見据えた課題ポイントも考慮してお選びください。
とはいえ、情報が多すぎて整理できない!とお悩みの方は、どうぞお気軽に当社のリフォーム担当者へご相談ください。料理好き男子の社長をはじめ、整理収納の知識や経験を積んだ50代女性アドバイザーもお客様の理想のキッチンづくりをサポートさせていただきます。
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