築20年の戸建て、10年後を見据えたリフォーム。
兵庫県芦屋市 S邸
兵庫県芦屋市 S邸
震災を期に建て替えられてからおよそ20年の戸建て。もともとはお片付けから始まったリフォームです。
モノが多すぎて、あちこちに分散しているのをなんとかしたいというご相談から、お片付けを行なっていくうちに、リフォームへと発展しました。
家族構成の変化、依頼主の今の生活、そして10年先を見据え、以下の点についてご提案しました。
まずは全体的なお片付けからスタートしました。
お片付けにはトータル3年ほどかかっています。
3年といっても毎日行っていたわけではありません。お客様の体調やご都合を配慮し1月に1~2回のペース。高齢者の方の暮らし改善は、ゆるやかに少しずつ。 スケジュールを組んで段階的に進めていきました。
床の張替えを行いました。
もとの床はフローリング、その上にカーペットを敷いていたところ、足を悪くされご家族がひっかかって歩きにくいという問題が発生しました。しかし室内飼いのワンちゃんがいるので、フローリングに戻すわけにはいきませんでした。フローリングは腰や足にとって良くありません。
そこでタイルカーペット貼りにすることをご提案しました。
一般的にはオフィスビルで使われる、一辺が50cmの正方形のカーペットです。ワンちゃんが粗相をしても汚れた部分だけ剥がして洗うことができる、と気に入っていただきました。
生活様式が変わって使用頻度が高くなった和室。その収納は押入れでした。
日々の生活に必要な日常使いの衣類を片付けていたそうですが、奥行きが深く、暗いために「目が行き届かない」「何がどこにあるかわかりにくい」「取り出しにくい・使いにくい」とお悩みでした。
押入れの段はひとつしかないため、日常的に使うには不便です。
そこで段を取り払い、オープンクローゼットに改装することをご提案しました。さらに、日常生活でよく使うものをまとめ、置く場所を決めることで利便性を高めました。これにはお片付け専門チームがご要望を伺い、収納をプランニングしました。
押入れの段を取り払うことについては驚かれましたが、格段に使いやすくなったとご好評いただいております。
収納スペースを拡張して日常使いのアイテムをキチンと整理したことで、わかりやすさ・使いやすさが向上しました。
それまで奥様にお任せだったご主人様の日常の身支度をご自身でされるようになったそうです。
納戸に関しては何がどこあるのかわからないぐらい詰め込んでおられた所有物の整理をしっかりと行いました。使いづらくなっていた食器棚は処分し、スペースを確保しました。
お片付け後は既存の収納棚を再利用して、整理がしやすいようにしました。ひと目でどこに何があるのか、すぐわかるようになりました。
採光を遮らないよう低いラックを使っていますが、窓があることをご存知なかったことに驚かれたご家族もいらっしゃいました。空間が広く明るくなったことを喜んでいただいきました。
キッチンのリフォームは当初のプランにはありませんでした。
お片付けが終わって暮らしてみると、使わない棚が多いこと、観音開きの扉がつけられたキッチンが使いづらいものだということに気づかれたそうです。
低くて奥まった収納から道具を出し入れするためにかがむのが辛くなってきたことから、対策を考えて欲しいというご依頼を受けました。
そこで検討したご提案内容は次の通りです。
また、キッチンには脚立が必要な位置に神棚がありましたが、お供えのたびに昇り降りすると、落下の危険性が考えられます。
いまは大丈夫でも10年後はどうだろうか? ということを鑑みて、神棚は低い位置に移設しました。毎日のお供えが楽にできるようになったとご好評いただきました。
撤去した棚がふさいでいた壁には、お気に入りの壁紙をえらんでいただきました。開放感のある癒しの空間に生まれ変わりました。
リフォーム後、それまでキッチンには一切立ち入らなかったご主人がご自身で飲み物をご用意されるようになったそうです。キッチンが整理されてどこに何があるのかがとてもわかりやすくなったことが理由でした。お茶の一杯ですら奥様にまかせっきりだったのに、自分でするようになったこと。それがリフォームで一番変わったことかもしれません、と笑顔でお話いただきました。
リフォームの概要は以下の通りです。